2018年5月3日

食べたいだけどうぞ!肉も野菜も果物も…量り売りが基本のヨーロッパ

海外旅行に行って、観光地を訪れるのは楽しいもの

しかし、それ以上に楽しいのは現地の人々にとけ込んでスーパー市場で買い物をする時間ではないでしょうか。

ところが、言葉が通じない国のスーパーや市場では買い物の仕方がわからないなんて経験、ありませんか?

今日は、そんな量り売りについてのお話です。

家族の人数や用途に応じて、「量」は買う人が決める

アメリカの文化の影響で、ヨーロッパもすっかりスーパーマーケットが増えました。

女性も働くようになると、買い物の時間は勤務が終わってからというのが普通です。以前は、八百屋さんや肉屋さんでおしゃべりをしながら買い物をしていた主婦たちの姿は確かに少なくなりました。

しかし、スーパーマーケットがどれだけ増えても変わらないのは量り売りです。

果物も野菜や、売り場の片隅にあるビニール製の手袋を使って袋に欲しいだけ入れ、はかりに乗せて野菜や果物の野価格の横についている番号を押すと、重さに見合った値段のシールが出てきます。

それをビニールに貼ると、スーパーのレジでもバーコードが通るようになっています。北欧では、レジで店員さんが重さを量ってくれるところもあります。

ヨーロッパの人から見ると、日本のように同じような量の野菜や果物がパックになって売っているほうが奇異にうつるようです。

パンも生ハムもお総菜もピッツァも「量り売り」

パンやハムは、もちろんすでにパックになって販売されているものもあります。

しかし、店員さんに計ってもらうパンその場で切ってもらうハムやサラミのほうが新鮮で価格が安いというメリットがあるため、お客さんは番号札を取って順番を待ってこちらを利用することが多いようです。

イタリアやスペインでは、パンの売り場でパンを一個購入する旨を伝え、「パニーノにしたい」というとパンに切り目を入れてくれます。

隣のチーズやハムの売り場で、好みのタイプをいうとサンドイッチやパニーノ一個分のハムやチーズを計って価格シールを出し、パンに具を詰めてくれるのです。

これをお昼ご飯に食べる人は非常に多いですし、気軽に食べることができるこうしたパニーノは観光客にも最近はよく知られてきました。地元の強者になると、生ハムの切り口の部分が気に入らないから新しい生ハムを切ってくれ、なんていう文句もあたりまえ。

観光客があまり来ないイタリアのある郊外の街は、パンがおいしいことで有名でした。その街に、あるファーストフードのチェーン店が出店したのですが、地元産のパンや生ハムのサンドイッチのほうが断然おいしいため、1年後にはファーストフードのお店は閉店。

そして、この量り売りのいいところは、どんなに少量でも文句は絶対に言われないことです。公園で子供たちが遊んでいて小腹が空けば、食料品店に入ってほんの一かけのピッツァを購入します。価格にして100円するかしないかくらいのお買い物でも、心臆することはありません。

お総菜もお肉も…ヨーロッパの量り売り文化

お総菜もしかり、お肉もしかり。

スーパーのお肉は、さすがにパックになっているものが多いのですが、欧州の国々では現在も「精肉店」が盛況です。日曜日に、親戚中が集まって一家のママが大量に料理をする場合も、老人の一人暮らしでステーキを一枚買いたい場合も、精肉店では必要に応じた量を購入できるのです。

ピッツァに関していえば、少なくともローマ以南には「切り売りピッツァ」がファーストフード感覚で街のあちこちに存在します。

切り売りピッツァは、もちろん丸い一枚のピッツァの注文もできますが、基本はすでにできあがっている長方形のピッツァを欲しい分だけ切って計ってもらい、購入します。

一枚のピッツァは大きすぎて食べ切れない人も、この切り売りならば好きな種類を好きな量だけ食べることができます。

青空市場でも、欲しい野菜をグラムやキロ数で言えばその量を量ってくれますが、たいていは多めに入れてくれるのが常識。

グラムやキロで言われてもわからない場合は、おじさんやおばさんが袋詰めしてくれるのを見ながら、「そこでストップ!」といえばその量を計ってくれます。計ったあとで、「これ、おまけね」と余分に入れてくれるのがご愛敬。

牛肉の消費は近代になってから

生ハムや腸詰めももちろん量り売りが多い欧州ですが、こうした加工肉が圧倒的に豚肉が多いのは、牛の飼育がその昔は非常に難しかったという理由があります。

牛のような大型の動物は、飼育のために非常に広い牧草地を必要とします。灌漑技術が進んでいなかった中世には、牛肉の料理が少ないのはこうした理由によるのです。

また、冷蔵技術も発達していなかった時代には、さばいてすぐに消費できる小型の動物の消費のほうが圧倒的に多かったのは当然かもしれません。サラミや生ハムといった食文化も、保存を目的に生まれたものなのです。

最後に

ここ数年、残飯の放棄が世界中の問題になっています。

必要な分だけ購入するヨーロッパ各国でも、この問題は変わりません。

量り売りが主流の国々でも、きれいに食材を使い切り無駄に捨てることがないよう、政府が呼びかけているところもあります。

日本のように、難しい会話なしで簡単に食料が調達できる買い物も便利ですが、家族や友人たちの食欲を考えつつ買い物をするのも楽しいものですよ。

(文章・ライティング:cucciola)

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