もはや、それなしの生活など考えられないほど私たちの生活の中にとけ込んでいるチョコレート。
板チョコ、ケーキ、クッキー、あらゆるお菓子にチョコレート風味が存在します。
チョコレートの起源は、南米。
そのかぐわしいアロマとさまざまな効能ゆえに、チョコレートは黄金と同じ値で取引されていました。
私たちの時代にたどり着くまでに、チョコレートはどんな変遷をたどってきたのでしょうか。
チョコレートの発祥と起源
チョコレートの原料であるカカオの木は、なんと紀元前6000年にはアマゾン川流域にすでに存在していたといわれています。
カカオの木の栽培が始まるのは、紀元前1000年頃、マヤ王国の王たちはとくにその栽培を奨励していました。
当時は、カカオは豊穣の神に捧げられるものであり、「神々の食べ物」とも呼ばれていました。
また、金銭と同じ扱いをされるほど高価なものであったので、カカオを口にできるのは王や貴族といった一部の上流階級に限られていたようです。
カカオの粉と熱い水、唐辛子、コショウ、バニラで味付けされるのが当時の風習でした。
歴史の中で見るチョコレート…コロンブスが持ち帰ったカカオの種
502年にコロンブスがアメリカ大陸に渡ったとき、ヨーロッパ人としては初めてチョコレートの飲み物を口にし、カカオの種をスペインに持ち帰っていますが当時はまったく重要視されませんでした。
その後、スペインによる南米の侵略が始まり、1528年にスペイン王にカカオの種が献上されました。
飲み物としてスペイン上流階級に広まったチョコレート
こうして、スペインの上流階級のあいだでチョコレートの飲み物が普及し始めます。
カカオがヨーロッパ人には苦すぎたことから、バニラや砂糖を加えて飲み始めたのが近代のチョコレートのはじまりといわれています。
一説には、1590年にスペインの僧がチョコレート・ドリンクに砂糖を入れたのが最初であるとか。
1606年にスペインの王女がフランス王家に嫁いだとき、チョコレートをフランスに持ち込みました。
太陽王ルイ十四世の王妃マリー・テレーズは、チョコレート好きが高じて虫歯だらけだったという記録も残っています。
固形チョコが登場し、商業化が進んだのは19世紀から
こうして、17世紀のヨーロッパでチョコレートは大流行します。
飲み物として愛されていたチョコレートが、固形となって商業化が進むのは19世紀に入ってからです。
歴史上の著名な人物でチョコレート好きで知られているのは、ローマ法王ピウス五世、ルイ十四世の最後の妻マントノン夫人、フランス王妃マリー・アントワネット、モーツァルト、スタンダール、ゲーテなどなど。
板チョコの元祖? モディカのチョコレートとは
イタリアのシチリア島には、「モディカのチョコレート」が伝わっています。
ヨーロッパにもたらされたチョコレートは、16世紀のあいだはスペインの国外に出ることがありませんでした。
シチリア島は当時、スペイン領であったために早くからチョコレートが伝わっており、モディカの地で現在も生産されるチョコレートは、当時のレシピに忠実に生産を続け、そのために当時のチョコレートの面影をもっともよく伝えていると言われています。
ローストして粉状にしたカカオの種、バニラ、シナモン、ジンジャー、唐辛子の他、シチリアの名産であるレモンやオレンジのピールも加えられる独特の味わいです。
とくに、しゃりしゃりとした食感は、一般的なチョコレートとは異なる風味があります。
シェフたちが考案するカカオ料理
昨今、ヨーロッパのシェフたちはカカオが持つ抗酸化作用に注目し、カカオをチョコレートとしてではなく料理で楽しもうとさまざまなレシピを考案してきました。
たとえば、ミラノのマンダリン・オリエンタルホテルで活躍するフェデリーコ・デロマリーノは、魚介とカカオのパスタのレシピを公表しています。
魚介のブイヨンとカカオの粉にスパゲッティを絡めたレシピ、バレンタインデーの食卓にも素敵ですね。
南米では本来、カカオは砂糖とではなく、苦いまま香りをつけて飲用していたという故事にのっとったレシピが、最近では次々に登場しています。
チョコレート本来の食べ方や工夫に歴史あり
唐辛子入チョコレートは、イタリアのおみやげとしてよく目にします。
これはなにも奇抜な発想ではなく、チョコレート本来の食べ方に忠実であるのかもしれません。
チョコレートの効能は、ここ数年の医学的研究でも目をみはるものがあります。
もちろん、糖分の取りすぎには要注意ですが、カカオ本来が持つ力に改めて注目して、おいしく食べる工夫をしてみるのも楽しいかもしれません。
(文章・ライティング:cucciola)
Twitterの反応
カカオ豆からの全行程を店内で手作り
中目黒にあるBean to Barチョコレート専門店#TABILABO_GO pic.twitter.com/TZkKVyyRq3— TABI LABO【公式】 (@tabilabo_news) 2018年2月13日
イタリアはシチリア島のモディカで作ってるチョコレートもらいました。
アステカ王朝から伝わる古製法で作ってるそうで、砂糖粒のジャリっとした食感があって、不思議にサラッと食べられます。
これは美味しいわぁ!!
モディカのチョコは有名らしいので、ネット等で買えるみたいですよ♬ pic.twitter.com/gq4eYv6v2m— 岩佐よしこ♬沖縄・漢方で健康生活 (@yoqarabars) 2017年12月17日
今日はサロンデュショコラに立ってるよ〜
数年前から惚れ込んで毎年この時期はお手伝いしているチョコレート。
Antica dolcelia Bonajutoというイタリアシチリア島のモディカというチョコの街でつくられている日本には直営店のないチョコレートなのです。
本日いらっしゃる方はぜひ〜— 西村隆ノ介 (@1108ryu) 2018年1月26日
シチリアのモディカという町で有名なチョコレート店のチョコと聞いて即買い…
パッケージもおしゃれ
このハンバーガーみたいな包みのやつは「アランチアータ」っていうオレンジの皮を蜂蜜と砂糖で固めたシチリア伝統のお菓子だそう…
試食めちゃうまだった pic.twitter.com/qZFb7kzqsi— きりく蝶一 (@kiri901) 2017年9月24日
チョコレートの摂取は、うつ傾向が強い人ほど多かったと報告さている。うつの人が無意識に自らチョコで治療してるのかも。カカオのN-1イグノセロルトリプタミンは、セロトニン1A受容体親和性による抗不安作用とセロトニン再取り込阻害作用による抗うつ作用を持つ。チョコは人を幸せにするのかも。
— 精神科医 ぷしこノート (@Psycho_Note) 2018年2月12日